Information
2025/05/09
産まれたばかりの小馬が噛んでいるもの?!

モンゴルの神秘「ウナガニー・ズールト」ってなに?
仔馬が噛んだ縁起物の話
こんにちは!今回は、モンゴルの伝統文化の中でもあまり知られていないけれど、すごく面白い風習をご紹介します。それが「Унаганы зуулт(ウナガニー・ズールト)」。
これは、なんと「仔馬が生まれてすぐに噛むもの」のこと。ちょっと不思議ですよね?でも実は、モンゴルではこれがお守りや縁起物としてとっても大事にされているんです。

ウナガニー・ズールトってどんなもの?
「ウナガ」はモンゴル語で「仔馬」、「ズールト」は「噛むこと」「噛んだもの」を意味します。つまり、仔馬が噛んだもの=ウナガニー・ズールトなんです。
仔馬が生まれてすぐ、母馬の体から出てきたばかりのときに、羊膜や胎便(メコニウム)、臍の緒などを本能的に口に入れて噛むことがあります。そのときのものを乾燥させて保管したものが、ウナガニー・ズールトです。
どうしてそれを取っておくの?
モンゴルの遊牧民にとって、馬は生活の中心であり、大切な家族。馬が元気に生まれることは、家族にとっても大きな喜びであり、神様からの贈り物のようなものです。
ウナガニー・ズールトは、そんな命の始まりの象徴として、「この馬が強く生きていきますように」と願って保管されます。また、それを持っていることで家畜全体の健康や繁栄を呼ぶとも言われています。

見た目はちょっとびっくり?
ウナガニー・ズールトは、茶色〜黒っぽい色で、乾燥してカチカチになります。形は少し不規則で、表面に草の繊維が混ざっていることも。ぱっと見は「石?」と思うかもしれません。
でも、それこそがこの自然と命のリアルなんです。乾燥させて布や袋に入れて大切に保管されることが多く、時には家の祭壇やゲルの壁に飾る人もいます。
現代のモンゴルでも残ってるの?
都市部では少しずつ減ってきているそうですが、遊牧民の間では今でも大事にされている伝統です。特に馬を大切に育てる家では、このウナガニー・ズールトを持っていることが誇りでもあります。
最近では、観光客や研究者の間でも注目されるようになってきて、「モンゴルの馬文化を象徴するもの」として紹介されることも。
まとめ:命のはじまりを手のひらに
- ウナガニー・ズールトは「仔馬が噛んだもの」
- 胎便や羊膜、臍の緒の一部を乾燥させたもの
- 健康や幸運を願ってお守りにされる
- モンゴルの遊牧文化の中でも特に神聖な風習
もしモンゴルを旅する機会があったら、ぜひ遊牧民に聞いてみてください。「この馬のズールト、ある?」って。もしかしたら、その馬と家族の特別な物語が聞けるかもしれませんよ。
この記事では、モンゴル文化・遊牧民・馬の伝統に関する情報を紹介しました。モンゴルに関する他の記事もぜひご覧ください!